
Vol.47 外三合 三節 番外編(その9)
綿中蔵針(めんちゅうぞうしん)呉派(呉氏)太極拳では套路を「大架」→「小架」→「大架」の構成で修行することで知られている。呉派の「小架」は別名「快架」ともいわれ、快速で鋭い動作が特徴である。私の伝承する陳氏太極拳・老小架(陳績甫伝)の套路では、老架(柔・慢・大架)→砲捶(剛・快・小架)→老小架の三段階を経て太極の理である剛柔相済・陰陽相済を会得することを目的の第一番目としている。老架と老小架は同じ套路で拳譜も同一。砲捶を三段階の課程の二番目に置き修練する。このような二つの課程の間に異なった性質を挟むことによって変異・昇華して「綿中蔵針」を会得することを第二の目的としている。