2024-02

中国武術への道(旧)

Vol.8 太極拳と易(後編)

易において太極は、宇宙の根源として重要な概念である。「太極者,無極而生,陰陽之母也」(※)訳すと、太極は無極から生まれ、陰陽の母(元)である。太極は、その存在の前に無極から生まれたとされている。別な解釈では、「無極而太極」(無極にして太極)と言いこの場合、上記左の無極図を無極太極図、右図を無極太極陰陽図あるいは陰陽太極図(太極陰陽図)などと呼び方もさまざまだ。別な太極図②も併せて紹介しよう。無極との関係を来氏太極図(※)で観ていただきたい。円図(圓圖)とも呼ばれる。円環状に描かれた内円中の空洞が太極(無極太極図)を表し、円環の外円内の黒白の色が陰陽両儀を表す。
中国武学への道

Vol.37 外三合 エネルギーの統一 三尖相照(後編)

「三尖を相照らす」とは、三つの尖端を揃えることにより力の集中をもたらすことである。この三尖相照の効用を陽(攻撃面)と陰(防御面)の陰陽思想からみることができる。 三尖相照は、攻撃の極まる到達点である。全身のエネルギーの統一する瞬間のポイントを指す。逆に分散して腕の力だけで打つ事を俗に「手打ち」という。 太陽光のエネルギーを虫眼鏡を使い角度と方向そして距離を合わせることによって一点に集中することができる。平行な太陽の光を凸レンズで集めると、焦点に置いた紙が黒く焦げ始めついには発火する。同様の原理で火災が発生することを収斂火災(しゅうれんかさい)と呼ぶ。
inserted by FC2 system