2024-05

中国武術への道(旧)

Vol.11 内三合 内なるエネルギーの秘密(その二)

太極拳にとどまらず中国武術では六合という非常に重要なキーワードがある。外面の統合を外三合。内面の心・意・気の統合を内三合という。外三合と内三合を合わせて六合となる。手足をはじめとする身体の操作が本当の力を発揮するには、内面のエネルギーとの関係こそが核心であると捉えたのだ。今回のテーマ、内なるエネルギー「心」「意」「気」という相互の関係について『陳氏太極拳図説』、原書名は『陳氏太極拳図画講義』、以後『図説』(※①)では、運動氣機図により説明している。下の図を観ていただきたい。当時の武人らしく、「心を将軍」、「意を伝令」、「丹田を駐屯所」と、軍隊の組織になぞらえて表現している
中国武学への道

Vol.40 外三合 三節 番外編(その2)

1) 三才 天地人 (天→地→人) 時間系列 大宇宙に対して小宇宙としての存在が人間であるというのが「天人合一思想」である。混沌とした宇宙から天が生まれ次に地ができた。天(陽)と地(陰)が和合し人(半陰半陽)が生まれた。天→地→人の時間系列の順番で「天地人」の三才としている。大自然の中で人間は弱い存在で、災害や天候の影響を受けてきたため自然に対する畏敬の念が強かった。西洋では人という存在が自然と対立して自らの力で「生きている」という考え方が基本であったが、中国では大自然の懐のなかで「生かされている」という考えに至った。ちなみに日本では四季折々の自然の恵みが豊かで、人が自然の中で育まれているという考えを持っていいたため中国の考え方を自然な感覚で受け止めた。
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