中国武学への道 Vol.51 親子で学ぶ安心のための護身術(前編) 2025年3月末、広島県東部の福山市にて護身術教室を実施した。対象は小学校の高学年とそのお母さん方を対象とした護身術の教室だ。講習会の企画立案は上記福山市の地元にお住まいの伊藤亜紀さん(仮名)という女性である。かつて日本は世界一、治安の良い国と言われていた。しかし、現在の日本の現状はいかがだろうか? 2025.06.20 中国武学への道
中国武学への道 Vol.50 外三合 三節 番外編(まとめ) ~後編 前編に引き続き、番外編のまとめである。Vol.43~48の索引としてもご利用いただきたい。また、文章末のコラムでは内家三拳のひとつ八卦掌の成り立ちをテーマとしている。内家三拳とは、太極拳・形意拳・八卦掌を指す。外家拳の代表は少林拳で「剛」を特徴とし、相対する内家拳は「柔」である。 2025.04.11 中国武学への道
中国武学への道 Vol.49 外三合 三節 番外編(まとめ) ~前編 Vol.38 閑話そしてVol.39から始まる『三節の番外編』を通して「三」について考察してきた。番外編も10回となり、表題の「その一~その十」を見るだけでは内容を類推することができない。そこでこの回は「まとめ」とすることにより、それぞれの内容を一目で類推いただけるようになっており、表題から各ページにリンクをすることもできる。 2025.03.07 中国武学への道
中国武学への道 Vol.48 外三合 三節 番外編(その10) 内家拳は、もともと内家拳として生まれたものではなく、外家拳を改変したものとされている。太極拳も太極拳として生まれてのではなく少林拳系の一派から一族の研究と経験から産み出されたものである。内家拳は外家と対比される分類だけでなく「内家拳法」という門派が実際に存在したことが書物『内家拳法』からも知ることができる。 2025.01.24 中国武学への道
中国武学への道 Vol.47 外三合 三節 番外編(その9) 綿中蔵針(めんちゅうぞうしん)呉派(呉氏)太極拳では套路を「大架」→「小架」→「大架」の構成で修行することで知られている。呉派の「小架」は別名「快架」ともいわれ、快速で鋭い動作が特徴である。私の伝承する陳氏太極拳・老小架(陳績甫伝)の套路では、老架(柔・慢・大架)→砲捶(剛・快・小架)→老小架の三段階を経て太極の理である剛柔相済・陰陽相済を会得することを目的の第一番目としている。老架と老小架は同じ套路で拳譜も同一。砲捶を三段階の課程の二番目に置き修練する。このような二つの課程の間に異なった性質を挟むことによって変異・昇華して「綿中蔵針」を会得することを第二の目的としている。 2024.12.27 中国武学への道
中国武学への道 Vol.46 外三合 三節 番外編(その8) Vol.46 外三合 三節 番外編(その8)「一刀は万刀に化し万刀は一刀に帰す」(「一」→「万」→「一」)や「招式→着法→招法」のなかに「三の構造」を観た。基本の技法から始まり、さまざまな知識と経験を経ることにより、初級から上級へと進化する。仮に外見上では基本の技法であったとしても上級者の技法は初級の段階にある者とは大きな隔たりがある。さらに昇華し変質すると絶招とよばれる渾身の一手に帰結し、到達する。 2024.11.29 中国武学への道
中国武学への道 Vol.45 外三合 三節 番外編(その7) 老子は「一から二そして三」が生まれ、「三」から万物が生じるといい、八卦では初爻二爻三爻と三層に積み重ねられた「八」から大宇宙の万物が展開される。前回、細胞分裂を例に「1」が2→4→8と分裂する図を紹介した。細胞はさらに分裂を続け、人間では約60兆個(約37兆個とも)に細胞分裂し各臓器や骨、筋肉などに変化し、一個体としての生物に成長する。 2024.10.11 中国武学への道
中国武学への道 Vol.44 外三合 三節 番外編(その6) 道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず「老子(第四十二章)」一はなぜ二を生じるのか?二はなぜ四ではなく三を生じるのか?三は万物を生じるとは何を意味するのか?太古の人々にとって三は「多い」「たくさん」あるいは完全と同義語であった。大多数の未開の民族において数を数えるとき「一」・「二」稀に「三」までしか数名詞を所有しない。数を数える上でも「一つ」「二つ」「三つ(たくさん)」の概念は「数の概念」と同じように「三」よりも大きな数を認識する上で頭脳の飛躍的発達が必要となる。未開社会の人々は四以上の数はほとんど用いず、四・五・六・・・などの抽象概念が発達するには多くの時間を要した。 2024.09.13 中国武学への道
中国武学への道 Vol.43 外三合 三節 番外編(その5) これまで本ブログVol.39から始まる『三節の番外編』を通して「三」について考察し、さらに八卦に潜む「三才」を「構造と変化(勢)」から紹介している。中国武術(中国武学)でいうならば構造とは身体の姿勢で、変化(勢)は身体の動きの変化であり、「定式と過渡式」の面からも観ることができる。 2024.08.16 中国武学への道
中国武学への道 Vol.42 外三合 三節 番外編(その4) 前回は、八卦を理解するために「構造」の面から観察してみた。今回は、「変化する勢」の面から観て理解を深めていきたい。文章の内容が煩雑と感じられる方は前回に引き続き、図をよく観察いただくとよい。また、前回の「八卦生成図と古八卦図」も併せて観るとよいだろう。陽爻と陰爻は一陽一陰(または、一陰一陽)とも表現されるが、対立し分断しているだけでなくお互いが影響しあう関係でもある。 2024.07.12 中国武学への道