Vol.9 太極拳と易 番外編
「太極拳と易」という前・中・後編では、太極拳との関連を易の本質としての「変化」を中心に「循環」するエネルギー(勢)にスポットを当ててお話しした。易や太極思想の核心部分である「陰陽」「五行」「八卦」については、改めて別の機会を持ちたいと考えている。今回は番外編として太極拳と直接の関係はないが、易の理解をより深めるために二人の日本人のエピソードを紹介しよう。一人目は、易経を学んだ広島の先人である頼山陽(らい・さんよう)。二人目は、易の本質である「変化」を体得した上で、「居着く」ことの危険性を説いた剣豪・宮本武蔵だ。