
Vol.20 外三合 日本刀の鍛錬からみた勁の特徴(その二)
内三合は、内面の力によって身体の外面の力を最大限に引き出す。外三合は、逆に内面を支える器であり、具体的な技術へとつながる。内三合・外三合は相互に補完していることを内外相合といい、合わせて六合となる。六合は、「勁」あるいは「勁力」となって攻防技術に生かされている。さて、日本語ではあまりなじみのない「勁」という漢字であるが、風雪に耐える芯のある強い草を指す勁草(けいそう)が比較的知られている言葉だろうか。門派ごとに「勁道」の特徴や種類はさまざまであるが、「勁」とは、中国武術を理解するうえで核心のキーワードである。「勁」を一言で表現するなら「精錬された強い力」だ。数十年前、北派拳術は勁を用いるから高級、南派拳術は力を用いるので低級というような表現もあった。